こんにちは、nachiです。
今回の対象読者は、「これから心理学を学びたい人」もしくは「学ぼうとしてはじめの方で挫折した人」です。
「心理学って思ってたのと違う!」「趣味で学びたいけど、初心者だからどこから始めたらいいかわからない」…調べても、本屋さんで立ち読みしてもピンとこないんですよね。私も最初そうでした。今回は、これから心理学を学びたい、趣味や仕事に活かしたいと考えているあなたに、心理学の前提をまとめてみました。
心理学を趣味で独学、難しいのはなぜ?【理由は3つ】
こちらです。
:学問とは、知識や方法の集まりのこと。つまり、「○○とは△△です」ということ(知識)と、それを研究する部分(方法)を含むということ。
②心理学への誤解
:専門用語が多い。また、一般的な表現と専門用語の差がわかりずらい。
③初心者の期待
:知りたいことを目指して専門書へ…迷子になってしまう。
- 学問に対する誤解:多くの人は、知識だけが学問だと思っています。本を開くと、半分は研究方法と関連して書いてある…だからわかりずらいんです。次の章で詳しく見ていきましょう。
- 心理学への誤解:例えば、「自分で自分をどういう人と考えるか」=「自己認知」、「集中できない」=「注意欠陥」などがあります。知りたいことがなんていうのかがわからないと、スタートラインにたてないですよね。
- 初心者の期待:専門家は、その分野がどの程度まで研究が進んでいるのか、調べればすぐわかります。しかし、初心者は、心理学でなにがどこまで「はっきりとわかっているか」はわからないのです。「本を開いても、ググっても、目的地にたどり着かない…なぜなら目的地は存在しないから」なんてことがあります。
とはいえ、この記事に書いてあることを前提に勉強を始めれば、少なくとも入口で迷子になる心配はありません。入り口でさんざん迷子になった私が、心理学の定義をわかりやすく説明します。↓
「心理学」とは「何」か
心理学は様々な本やサイトで定義されていますが、もう少しだけ簡単に言うと、
「目に見えない感情や考え方などと、目に見える行動、習慣などの『心』を、科学的な手法を用いて明らかにしようとこころみている学問」です。
なんのこっちゃですよね。分けて見ていきましょう。
心理学の対象
➀目に見えない部分=感情や考え方、②目に見える部分=行動や習慣
→これらを「心」として扱いますよ、ということです。
とてもシンプルですね。
➀はイメージしやすいです。普段私たちが「人の気も知らないで」とか「あなたの本心が知りたい」とかいうときの心です。喜怒哀楽の「感情」や物事に対する「認識」、「信念」、「記憶」なども含まれます。いわゆる、目に見えない「心」と呼ばれている部分ですね。
問題は、②の「行動」や「習慣」です。心理学における「行動」はとても広い概念で、目に見えるものすべてを指しています。
どういうことかというと、何かをとろうと思って手を伸ばす、言いかけてやめる、シャーペンの芯が出なくてめちゃくちゃノックする、パチンコにはまる、かわいい恰好をする、赤面する…全てです。
また、これには、梅干を見て唾液が出る、寝る、汗をかく、胸がドキドキして息が上がる等意識的でない行動も含みます。
つまり、どのような「行動」であれ、他者から見てわかること、すべてを「行動」として扱うということです。その点において、「習慣」も「行動」に含まれてきます。
こんなに幅広く扱うことになったのには、「心理学」という学問が成立してきた歴史、いわゆる「心理学史」に理由があるのですが、ここではおいておきます。
また、よく聞く心理学っぽい用語に、「性格」「IQ」「精神分析」「認知行動療法」「カウンセリング」…などがありますが、これらはすべて、目に見えない部分と見える部分とをあわせて扱う領域、概念です。つまり、この前提(専門用語)を踏まえていないと、詰んでしまいます。また、「ネガティブな『性格』を直したい」「人から『好かれるように(受動態)』なりたい」なども同様です。
方法
「科学的な手法」というもので、法則性や特徴をあきらかにする
→こうやってわかったもの全てが「心」で、この方法についてのお話が心理学の半分を占めますよということ。
心理学では、「科学的な方法」として、2つの方針で「心」を「あきらかにしよう」とします。イメージしてもらうことを最優先して表現すると、
1つは、少ないデータを細かく大切に見ていくことで、心についての予測をたてる方法:質的研究
2つは、たてた予測を、たくさんのデータを集めることで、心についての予測があってるかたしかめる方法:量的研究
です。
心についての予測とは、例えば、「連絡がマメな人はモテるだろう」や「『無人島に持っていくものは?』ときかれて『携帯』と答える人は『病んでる』?」とかです。本当はもっと複雑で、こんなに安直にはできていませんが、イメージとしては十分です。ちなみに私の答えは、どちらもノーです。
質的、量的研究の2つは、どちらが良い悪いということではなく、どちらも使うのに向き不向きな内容や段階があり、最終的にはどちらも行うことで、正確に心の法則や特徴をあきらかにできます。
「研究方法とか、知らなくてもいいよ」「べつに仕事で使うわけじゃないし」と思うかもしれませんが、ここの仕組みをわかってないと、心理学って使い物にならないんです…。
これについて知りたい人は、【公認心理師試験】心理学の統計学は難しい?先に学んでおくべき理由をご覧ください。
おわりに
心理学って面倒で、最初思っていたものとは、少し違うかもしれません。ですが、興味を持ったなら、入口で詰むことなく、誤解せず、心理学を学んでいただけたら幸いです。
おわりです。
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