こんにちは、nachiです。
そんな風に思いますよね。私も自分が研究する立場になって初めて知りました。
そのような、心理学の論文を読みたい人にむけて書きます。
この記事を書いたのは、第2回公認心理師試験を80%の得点で合格した臨床心理士のnachiです。
心理学の論文を入手する方法4選
方法は次の4つになります。
➀大学図書館
- 大学図書館では学術誌や取り扱っている機関誌などは読むことができます。
- 貸出や複写(手数料がかかることが多い)してもらうことが可能です。
- 大学図書館に現在目的の論文がない場合もあります。ほしい論文が決まっているのであれば、取り寄せることも可能です。
ネットでお近くの大学図書館のHPを検索し、どんなものが書架にあるのか見てみてください。
もしわからなければ、詳しい方法は、お近くの大学図書館に問い合わせてみてください。
②電子ジャーナル
- 機関紙や読みたい論文の掲載学会や、ジャンル等がわかっているのであれば、学会のHPから閲覧できる可能性があります。
- 行かなくていいのはいいです。
- 多くは有料の会員性となっているので、目的の論文を入手するためだけに会員になるのはコスパが悪い・・・。
③Google Scholar
- ネットで無料公開されており、データベース収録量の多いGoogle Scholarは、自分の欲しい情報がどこで取り扱っているかわからない時に探すのに適しています。
- キーワードさえわかっていれば、論文一覧をネット上で閲覧することができます。
- もちろん、全文を読むためには有料のものも多かったり、情報量が多すぎてどのように使ったらよいかわからなかったりします。
- 幅広い知見を探すことができます。
- 無料で閲覧できるコンテンツは決まっています。
④cinii
- Google Scholar同様、ネットで見ることのできる国立情報学研究所が運営している学術コンテンツサービスです。
- 先ほど、Google Scholarで無料で全文閲覧できるコンテンツは決まっているといいましたが、cinii掲載のものが多いのです。
- Google Scholarよりは情報量に限りがありますが、サイトがすっきりしていて見やすく、関連文献や関連学者が検索しやすいのがメリットです。
大学でゼミに入ると、まずは関心のあるキーワードからciniiで論文をひたすら探してひたすら読んでみることを推奨されます。
③④あたりをつけて→②機関紙、学会誌を特定→➀大学図書館で検索
という手順が定石です。
「とりあえず、心理学の研究論文を1本読んでみたい」、「自分の関心のある分野ではどのようなことがどのように研究されているのか知りたい」際には、ciniiでキーワード検索してみるといいと思います。
→ciniiの使い方については別で書きます。
心理学初学者が論文で最初に読むべきもの
とはいえ、心理学をなんらかの形で学び始めたばかりの人は、どんなものから読んだらいいのかわからないと思います。当たり前です。
そんな人におススメなのは、“統計用語をキーワードに入れてみてみること”です。
例えば、「2要因の分散分析」や「カイ二乗検定」、「主成分分析」、「プロトコル分析」などです。
理由は3つあります。
➀心理学の学習は統計を避けて通れないから。
簡単に言うと、心理学の研究というのは、現象を詳細に記述する質的研究と、一般法則を導くために統計的な分析を加える量的研究とに大分されます。
両研究は補完的な関係にあり、どちらの研究も行われて初めて、ある現象における心理学上の研究結果が得られたとみることができます。
質的研究は、具体的な現象を扱うために、直観的に理解することができるのですが、量的研究は統計を避けて通れません。
しかし逆に言うと、そこさえクリアしてしまえば、あなたは心理学の研究論文をスムーズに読むことができるということです。
どうせ読むなら、めんどうな方を最初に読んでしまった方がいいと思います。
②論文の形式を学ぶことができるから。
論文は、
という順番に記述されます。
量的研究の論文は、この形式に明確に従っていなければ論文掲載できません。
慣れてしまえば、形式上ほしい情報がどこに書いてあるか、読まなくてもわかるようになります。
③量的研究の論文を1本読めてしまえば、分野を変えても、すんなり読めるから。
心理学科の学生も、最初は、必ず量的研究論文から読まされます。
事例研究やエスノグラフィーやグランテッドセオリー法を用いた質的研究の論文は、そのあとです。
上記の理由で、最初当然苦労するのですが「量的研究の論文をクリアしてからあとは楽だったな」と今思い返しても感じます。
とはいえ、心理学の研究論文を読む目的は、それぞれです。
知りたい分野や現象がある人、これからの研究のために先行研究を調べたい人、試験勉強のために1本読んでみたい人。
目的が異なれば、論文の中の注目する箇所も異なります。
ぜひ、結果や考察などの内容だけにとらわれず、論文を正確に読んでもらえたら、と思います。
おわり。
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