これから真剣に心理カウンセラーになるには【資格】

カウンセラーになりたい人向け
この記事を書いたのは・・・
nachi

国立大学院の臨床心理学専攻を卒業し、現在臨床心理士、公認心理師の資格をとり、クリニックや学校で勤務中。
精神科病院、クリニックにおける経験を5年以上。
スクールカウンセリング経験あり。
最近ブログ学習中。

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こんにちは、カウンセラーの国家資格をもつnachiです。

「心理カウンセラーになりたいけど、おすすめの資格はなんだろう?」「資格がなくてもなれるのかな?」

このような疑問に答えます。
結論、今からカウンセラーを目指す人は公認心理師が重要視されます。
その理由と、なるためにどうしたらよいかを解説します。

 

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心理カウンセラーには資格が必要?【必要ないけど必要】

結論としては、必要ありません。しかし、分野によっては必要なことが多いです。

「ん?どういうこと?」って思いますよね。

みなさんは、「心理カウンセラー」ときいて、どこで、どのような仕事をする人を思いうかべるでしょうか。

精神科や心療内科の病院・クリニック、小・中学校で相談を受ける仕事でしょうか。
それとも、ドラマで見るような、カウンセリングルームで、カウンセリングを行うことでしょうか。
公共の電話相談や児童相談所などを思い浮かべる人もいるかもしれません。

実は、現状、医療や教育という分野には「臨床心理士」という民間資格の有資格者がいるのが一般的です。

なぜかというと、そのような分野には、相談以外にも心理検査やアセスメントといった専門性と、それを多職種や一般の人に説明できる知識や技術が必要だからです。

そして、そもそも心理職は募集される段階で、臨床心理士資格を持っている人を指定しているのが一般的です。

もちろん、独学でそのような知識を有している人はいるでしょう。
ただし、人事や採用の人からすると、臨床心理士の資格あり=学歴、臨床技術を担保することなのです。

したがって、病院や教育、公的な分野で働きたいならば、入職前後の差こそあれ(☆)、「臨床心理士」資格は取得することが必要です。
その他の心理系民間資格は、基本的に募集もされません。

☆入職前後の差:地方公務員、国家公務員として働く心理職も多いです。現状、新卒であれば、心理系大学を卒業後入職することが可能です。しかし、中途採用や入職してからの仕事内容には、心理検査実施、所見の期間内提出、相談業務、協働など、大学院修了程度の知識は少なくとも必要です。そのため、入職時は受験資格ありという状態で入職し、働きながら資格取得する人が大多数です。

今後、「公認心理師」が重視されるわけ

そして、紆余曲折を経て、2017年に、「公認心理師」という資格が誕生しました。
これは、心理系資格初の国家資格です。

国家資格化されれば、他の職種と同様、公共性の高い分野から施設基準として配置されていくことが一般的です。
医療報酬は2年毎に改訂されるので、今後、公認心理師資格が医療や教育の分野をはじめ、準拠資格となっていくことが予測されます。

2021年現在、医療分野は、臨床心理技術者や臨床心理士が心理分野を担っています。また、教育分野の代表格、スクールカウンセラーは各県の臨床心理士会に委託して募集するのが一般的なようです。各県の臨床心理士会の多くは、公認心理師も含む形で県し会を再編した県も多いです

加えて、これまでの臨床心理士養成1種・2種指定大学院(「臨床心理士」受験資格を得るには指定の大学院を修了しなければならない)の多くは、公認心理師養成校になっているところも多いです

つまり、今後は「公認心理師」が募集されるということです。
これから心理カウンセラーになりたい人は、「公認心理師」を目指すのが手っ取り早く、確実です。

公認心理師になるには

これから公認心理師を目指す人は、2パターンの受験資格の取得方法があります。

➀所定の科目履修後、心理系4年生大学を卒業、そののち、所定の施設にて一定期間(☆)の実務経験を経ること。
②所定の科目履修後、心理系4年生大学を卒業、所定の科目を履修して心理系大学院を修了すること。

☆厚生労働省の定めた特定施設にて、2年以上の勤務が悲痛ようであるとされています。詳しくは、文部科学大臣、厚生労働大臣指定試験機関・指定登録機関一般財団法人 日本心理研修センターQ&Aをご覧ください。

いずれにせよ、所定の科目履修して、心理系の4年生大学を卒業することは必要です。

ちなみに、所定科目の履修自体は、同大学他学科でも可能な大学はありますが、シラバス上、転科しての心理専攻でないと履修できない時間割であることは多いです。これについては、あとで触れます。

その他、注意事項は2つあります。

1つは、「大学卒業後、大学院修了」という順序が必要であることです。
つまり、「大学での履修科目が足りないから、あとで卒業してから追加履修する」、「大学院修了してから足りない科目を大学で履修する」ということは認められていないようです。

詳細は文部科学大臣、厚生労働大臣指定試験機関・指定登録機関一般財団法人 日本心理研修センターQ&Aをご覧ください。

もう1つは、必要履修科目です。大学や大学院によっては、卒業・修了のための必修科目に含まれていない場合もあるため、ご自身でのチェックは必須です。

必要科目はざっと、以下の通りです。

大学:➀公認心理師の職責②心理学概論③臨床心理学概論④心理学研究法⑤心理学統計法⑥心理学実験⑦知覚・認知心理学⑧学習・言語心理学⑨感情・人格心理学⑩神経・生理心理学⑪社会・集団・家族心理学⑫発達心理学⑬障害者・障害児心理学⑭心理的アセスメント⑮心理学的支援法⑯健康・医療心理学⑰福祉心理学⑱教育・学校心理学⑲司法・犯罪心理学⑳産業・組織心理学㉑人体の構造と機能及び疾病㉒精神疾患とその治療㉓関係行政論㉔心理演習㉕心理実習
大学院:➀保健医療分野に関する理論と支援の展開②福祉分野に関する理論と支援の展開③教育分野に関する理論と支援の展開④司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開⑤産業・労働分野に関する理論と支援の展開⑥心理的アセスメントに関する理論と実践⑦心理支援に関する理論と実践⑧家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践⑨心の健康教育に関する理論と実践⑩心理実践実習

多いですね。

これが、心理専攻じゃないと履修しきれない理由で、多くの大学では大学1年、2年生の専門科目から入ってきます。大学で転科を考えている人は、3,4年生の時間割でとることが難しくなる科目も出てくるので、早めに検討・決断することをおすすめします。

社会人の人で、他学科大学を卒業された人、履修科目が足りない人は、大学の入り直しが必要です。

ですが、現在では、通信制の大学や大学院も多く存在します。
社会人からでも、やる気と行動で、何歳からでも目指すことができる職種だと思います。

他の多くの国家資格も同様ですが、専門性を担保するためには、コストが必要です。
簡単な道のりではありませんが、資格取得後はやりがいのある仕事が待っています。

今回はここまで。
おわり。

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